血溜まりの唄

『金魚のシボリカス』さんのパラパラ豆本『ウタゴタエ』をパラパラする。
http://ngtn.s83.xrea.com/

同サークルのパラパラアニメ本の中では比較的動きが抑え目で、
かつ、同一画像が多い作品です。
初ライブの直前の千早の心境、プロデューサーの心遣いが
少ないカットで完璧に表現されています。
特に最後の余韻がすばらしい。

さて同一画像が多いという事は「動かない」という事。
…では実は無い。

つまり分厚さと大量の同一画像は、間を感じて欲しい訳で、
このパラパラアニメが単なる静止画でなく、
間違いなく動かしている物があるとするなら…その動いている物とは、
それは読み手の心の中の『時計の針』なのだろう。
これは同人誌ではなかなか出来ない手法で、
特にページを詰め込みすぎる僕には、こういう事を
やれてしまう事自体がうらやましい。

アニメを動かす事って、絵を動かしているのでは実はなくて、
人の心を動かしているのだ…とかいうと、
中国の故事の、旗を眺める三人のお話が出てきますし、
ありふれた事なんだけど、
少なくとも僕の心はトキメキと嫉妬で、
さっきから動かされっぱなしです。

この作品のラストの間が作り出す
「これから」への無限の期待。

お勧めです。

アイマス同人は層が厚すぎて、生半可な物作れないな～…。
まぁ生半可な物を作っているんですけどね。